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☆祈りの御歌(みうた)☆
窓開けつつ 聞きゐるニュース 南アなる 
         アパルトヘイト法 廃されしとぞ  (平成3年)


秋空を 鳥渡るなり リトアニア、
         ラトビア、エストニア 今日独立す  (平成3年)


バーミアンの 月ほのあかく 石仏は
  御貌(みかお)削(そ)がれて 立ち給いけり  (昭和46年)





上の3首は、すべて国際情勢を詠った和歌ですが、どなたがお詠みになった歌だが、ご存知でしょうか?


3首とも、美智子皇后陛下が読まれた御歌です。

2年前に、フランスで「セオトーせせらぎの歌」として、美智子皇后陛下が折々に詠まれた和歌が、フランス語で、出版されました。

その和歌の一首一首が、フランスで、そしてフランスの旧植民地であったアフリカの国々で大きな反響を呼び続けています。


そうした国のひとつアンゴラで、
「セオト」に感動した方が、その調べをアフリカ中に伝えたいと発願し、現地の新聞社で講演会まで行ったそうです。

アンゴラは、かつては「奴隷の国」。 
300年もの間、多くの黒人が拉致され、奴隷として欧米諸国に売られていきました。
そして、現在は、「飢えと内戦の国」のひとつ。
苦難は続いています。

それだけに
遠い日本の皇后陛下が、アパルトヘイト法に心を向けられ、歌を詠まれたことは、大きな驚き、大きな感動だったようです。


「聞きゐる」というのは、文字通り、注意を集中して聞くことで、フランス語でも、ちゃんと「耳を傾ける」と訳されています。 
博学な皇后陛下が、苦難の歴史を経てきた遠いアフリカの人々を案じ、悪法の廃止ニュースに、いかに大いなる関心と喜びをもって、聞いていたか、この短い和歌の中にこめられています。

皇后陛下の和歌のフランス語訳作業は、仏文学者である竹本忠夫先生と、オリビエ・ジェルマントマ氏(日本で山伏修行もした親日家)を含む数名の文学者が、サロン形式で進めていったそうです。


皇后陛下の御歌のお題は、多岐にわたり様々ですが、翻訳作業中に、あるフランス人が
「戦争の歌が多いね」と言ったので、
竹本先生はすかさず、
「これは、戦争ではありませんよ。 霊(たま)鎮(しず)めのシャン(歌)なのです。」と答えたそうです。

竹本先生が、美智子皇后陛下の和歌は、
「顕幽一如(けんゆういちにょ)」という、生者と死者の境界を分かちがたきものとする神道の霊性に基づいていると説明したところ、
周囲に、さっと畏敬の念が立ち込めたということです。



以下は、平成6年に天皇皇后両陛下が、硫黄島に慰霊に訪れた際に、美智子皇后陛下が読まれた歌です。



慰霊地は 今安らかに 水をたたふ 如何ばかり君ら 水を欲りけむ 



激戦地硫黄島で、日本本土が空襲されるのを一日でも先に伸ばそうと、栗林忠道中将とともに玉砕した日本兵の数は、二万数千名。

この皇后陛下の歌で、この方たちの御霊がどれだけ慰められ、鎮められたことでしょうか。

両陛下ともに、記念碑に浄水をそそがれ、祈りを捧げられたということです。




2008/06/16(Mon) | 大和心 | トラックバック(0) | コメント(4) | page top↑
コメント
--NoTitle--

美智子皇后陛下大好きです。
>苦難の歴史を経てきた遠いアフリカの人々を案じ、悪法の廃止ニュースに、いかに大いなる関心と喜びをもって、聞いていたか、この短い和歌の中にこめられています。
美智子様の思いやり、慈悲の心の深さを感じます。

和歌を翻訳された竹本忠夫先生も素晴らしいですね。
美智子様のご意思をきちんとお伝えして下さいましたね。

余談ですが、私は以前美智子様のご親族の会社に勤めさせていただいていました。
by: モモ * 2008/06/16 17:00 * URL [ 編集] | page top↑
--やっぱり--

>余談ですが、私は以前美智子様のご親族の会社に勤めさせていただいていました。

やっぱり!
モモさんは、宮家とただならぬご縁があるのですねe-420

美智子様の御歌は、
世界の人々の心を打ちますね。
上記のほかにも、素晴らしい御歌が数々あります。

おいおい拙ブログにて、
少しずつ、ご紹介せていただき、感動をわかちあいたいです。




by: やまとの国の主婦 * 2008/06/16 23:05 * URL [ 編集] | page top↑
--NoTitle--

多くの歌を知っているわけではありませんが
戦争の歌というよりは平和を願う歌だと思いました。

美智子様の歌は穏やかだけど芯の強さを感じますね。
by: ロコ * 2008/06/17 08:58 * URL [ 編集] | page top↑
--強いですね!--

美智子様の歌は、愛が強く深く広いですね。

時折に 糸吐かずおり 薄き繭の 中なる蚕 疲れしならむ

小さな命、蚕にも こんな優しさをお持ちになっています。

究極の「平和の讃歌」は、「君が代」だそうです。
だからスポーツ対戦の前には、日本の国歌は、穏やか過ぎちゃうんですよね。

by: やまとの国の主婦 * 2008/06/17 10:50 * URL [ 編集] | page top↑
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